松戸生まれ 松戸育ち 松戸市議会議員

令和5年9月定例会

質問事項2 学校教育について
 質問要旨(1)学習指導要領「資質・能力の三つの柱」について
 質問要旨(2)「LGBT教育について」

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質問事項2 学校教育について
質問要旨(1) 学習指導要領「資質・能力の三つの柱」について 伺います。

学習指導要領は、文部科学省が学校教育法等に基づき、全国のどの地域で教育を受けても、一定水準の教育を受けられるようにするため、各学校で教育課程(カリキュラム)を編成する際の基準を定めたものとあります。

戦後、すぐに試案として作られ、昭和33年、大臣告示の形で定められ、ほぼ10年毎に改訂されてきました。

平成29年に改定された最新の学習指導要領の中には、3つの資質・能力
1,実際の社会や社会の中で生きて働く「知識及び技能」
2,未知の状況にも対応できる「思考力,判断力,表現力等」
3,学んだことを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力,人間力等」
をバランス良く育むことを目指します とあり、

松戸市の小学校、中学校、高等学校等ごとの教科等の目標や大まかな教育内容も、この「学習指導要領」や3つの柱に沿って定められていると思われます。

現在の松戸市の学校教育において、三つの資質・能力をバランスよく育むうえで、
課題となっていること、重要視していることをそれぞれ教えてください。

さらに、質問要旨(2)「LGBT教育について」

先の6月議会において、LGBT理解増進法案について一般質問をいたしました。
その後、法案は可決されましたので、いずれは松戸市の教育にもLGBTに関する指導や教育が導入されていくことになると思います。

そこで伺います。
性の多様性について、これまで松戸市の教育委員会ではどのような教育・指導がなされてきましたか。

以上ご答弁よろしくお願いいたします。

(1)学習指導要領「資質・能力の三つの柱」について

 平成29年度以前の学習指導要領の改訂は、「小学校1,2年生への生活科の導入」や、「総合的な学習の時間の導入」、「小学校5,6年生への外国語の導入」、「道徳を特別の教科としたこと」など、部分的な改訂が行われてきたのに対し、平成29年度の改訂は、世界38ヵ国が加盟するOECD経済協力開発機構のPISA学習到達度調査のデータなどからなるOECDの教育に関する発信と軌を一にして作られています。VUCAと言い表されているように、将来の予測が困難な時代を生き抜くために、必要な資質・能力を育てる教育を目指すといった、これまでとは大きく異なる改訂内容となっています。

 ところが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、改訂内容の実践を進めることが困難な状態でしたが、感染症対策が緩やかになったことで、本年度が実質的な教育改革のスタート時期であると捉え、試行錯誤しながら進めているところであります。
 まさに、今が、学校教育の転換点にあると考えております。

 これまでも、本市においては、言語活用科など独自の教育政策を進めてきましたが、自ら考え行動できる人材育成のためには、「教師が教える授業」から「子どもたちが自ら学びとる授業」へと言えるような授業の転換が求められています。そのための教員の資質・能力の更なる向上が必要となります。

 その他にも、探求的な見方・考え方を働かせ、教科の横断的な学習となるような総合的な学習の時間の一層の推進といった課題も抱えております。

 また、学習や学校業務における更なるICTの活用や、教員の総労働時間と業務量の軽減に向けた働き方改革もあり、この様な課題に対してスピード感をもって対応して参りたいと考えております。


質問事項2「LGBT教育について」答弁申し上げます。

「性の多様性」は人権課題の一つととらえ、他の人権課題と同様に取り扱っております。

性についての学習は、心身機能の発達と心の健康に関する課題を発見し、解決に向けて思考していく力を育むことを目標としております。
小学校低学年段階では、総じて性への意識が未分化であることから、思春期に差し掛かり体の変化が顕れ始める小学校4年と第2次性徴が顕著になる中学校1年で扱われております。

児童生徒は、それぞれの発達段階に応じ、体の発育・発達や心の変化、不安や悩みへの対処を学びます。
また、各学校では、不安や悩みに対する教育相談の充実も図っております。

今後も児童生徒一人一人が尊重され、自己肯定感を高めていけるよう、指導や支援を進めてまいります。

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質問事項2 学校教育についての (1)学習指導要領「資質・能力の三つの柱」について
ご答弁ありがとうございました。

私が、児童生徒の3つの資質・能力をバランスよく育むうえでの課題や 重要視していることについて質問したことに対し、
伊藤教育長が 教員の方の資質・能力の向上と 返していただいた機知と気概に、嬉しさを感じ期待が高まりました。

また
「教師が教える授業から、子どもたちが自ら学びとる授業への転換が求められている」とご答弁いただいたこと、こちらも嬉しく思います。

子どもたちには、状況に柔軟に対応できる力、新しい考えを生み出す力、それを可能にする感受性と可塑性が備わっていると感じます。

単調で変化に乏しく 受動的に与えられる 授業から、
物事をいろんな方向からとらえ、なぜそうなったのだろうと 健全な懐疑を持ち
能動的に子どもが自ら学びに行く授業を、私も望んでおります。

そして同時に、なるべく 子供自身に考えて 経験してもらえるよう
大人の私たちが 子供を信じ 信頼をおき あえて見守る努力がこれからは必要だと思いました。

昨今、子ども真ん中社会 ということばが 出てくるようになりましたが、
大人の「良かれ」とした善意の行動が 却って感受性の高い子どもたちの息を詰まらせる事態を招いたり
無意識に子どもの自主性や可能性を奪ってしまわないか、気がかりなところもあります。

教育においても 子ども真ん中社会が、子ども真ん中社会を目指すおとな真ん中社会にならないよう
常に意識することも 同時に大切なことだと感じています。

そのうえで、他にも上げていただいた効果的なICTの活用や、教科の横断的な学習となるような総合的な学習の時間の推進、子どもの力に学びを任せるほうこうでの、教員の方の業務量の軽減に向けた働き方改革を期待しています。


質問用紙(2)LGBT教育、性の学習についても、ご答弁ありがとうございました。

性教育と性の多様性の教育は、学習の時期と内容によっては
児童生徒に混乱を招いたり、その後の人生に影響を及ぼす可能性があります。

改めて私の意見を述べさせてください。

体の変化が顕れ始める児童にとって、小学校4年生の時期は、小学校1年生から見てきた教科書に、初めて男女の性別による体の違いが載ったりクラスメイトの性別をより意識したり 自分の体の変化、自分の性に対して 深い感情を抱いたりしていく大切な時期になります。

ご答弁で「各学校では、不安や悩みに対する教育相談の充実も図っております。」と話していただいたように

私自身も、生物学的な女性として生まれ、思春期には 自分の体が変化していくのを
嬉しさや漠然とした戸惑いなど、色んな感情が混ざった状態で過ごしたのを覚えています。

ここにいる皆さんのなかにも、私のように自分の体に起こる変化に様々な思いを抱きながら過ごした方もきっといるのではないでしょうか。

この、性にまつわる 複雑な感情を受容するプロセスは、
子孫を残すことのできる大人の体へ、自分の心を一致させていく 特別な期間だと 私は思っています。

この時期に、性自認という新しい概念が教育に入っていると、 どんな影響があるか、みなさんは考えたことがありますでしょうか。

幼少期から、性の多様性として
同性愛や「男性でも、女性でなくてもいい」「すきな性別を選んでいい」ということを教えられた状態で
体の変化を感じる思春期や二次性徴を迎えたとき 

性自認の概念は 自分の性や体の変化によって感じる不安から目を背けられる逃げ道となり、
本来需要するべき成長のプロセスを妨げる可能性があります。

特に、夫婦間の不仲や虐待などのある機能不全家族で育った人、性被害をうけた人、心に抱える苦しさが大きい人ほど
その影響は大きくなると思われ、将来的に 自傷行為や 性依存が加速することも想定できます。

松戸モデルとして、制服を自分で選ぶことができるようになりましたが
小学校6年生の生物学上の男子が、中学校の制服でスカートを選び、入学した中学校1年生で生命を生み出す二次性徴、体への成熟を学ぶ、
ということがこの先に起こってくることも考えられます。

体の二次性徴が終わり、自分の体の変化を受け入れ切った状態での 性の多様性なら、まだ理解でき ますが、
性に関する知識を持つまえ、または持ち始めたときの子どもたちに性自認や性の多様性について教えることは
生まれ持った自分の体に責任を持たなくていい、自分の体で生きなくてもいいといっているくらい、私は問題のある事態だと思っています。

体の変化を迎え始め、戸惑う児童生徒に
「おばあちゃんがお母さんを生んで、お母さんがあなたを産んだように、子どもを産むお母さんの体へ成長しているんだよ・お父さんになる体に成長しているんだよ」と言われるのと

「あなたの体は女性だけど、すきな性別を選んでいい、男性として生きていく選択肢もあるんだよ」と言われるのとでは、自分の体の性に対する思いや、体の変化を受け入れられる範囲が 変わっては しまわないでしょうか。

第二次性徴が終わり、自分の性について ある程度 実感・認識できるまでは、

生まれ持った自分の性別を尊重し、身体を大切に思える
与えられた性に誇りを持てるような教育の仕組みや体制を心から切望します。

以上、私からの意見を述べさせていただきました。


これで、私の一般質問を終わりたいと思います。
私の話をお聞きくださり、ありがとうございました。