令和6年6月定例会
質問事項1 街路樹について
(1)伐採する高さと新植までの管理について
(2)これからの更新について
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質問事項1街路樹について
質問要旨(1)伐採する高さと新植までの管理について
松戸消防局によりますと、令和元年から令和5年まで、松戸市内の歩道先や路上で、樹木が燃えたとみられる事件が23件発生したそうです。
私の生活する小金原でも、先日、伐採された1メートルほどの高さの街路樹が燃える事件がありました。
実際に消火に当たった方は、伐採された街路樹の洞(うろ)の中に、火のついたタバコが投げられたのではないか、と話していました。
令和5年は、根元から1メートルの所で伐採されている木を見かけることがおおく、実際に、火災件数も過去5年間の23件中、6件が令和5年に集中していたそうです。
また、伐採する高さについて、市民の方からも、「見ていて痛々しい、もう少し短く、出来れば根元から切ることができないか」と聞かれることがありました。
ヒアリングの中で、これまで地上から1メートルほどで伐採していた理由について
撤去時に、重機で掘り起こす際の引っ掛かりを作るためある程度高さを残す必要があったことや、仮に根元から伐採し、新植までの期間が長くなると、誤ってマスに入った方がケガをしたり転倒したりする可能性があったためあえて高さを作っていたことをうかがいました。
そこで質問です。
令和5年度より、撤去の工程が変更され、重機で掘り起こすのではなくドリルを地中にさしながら、根を粉砕して除去していることを伺いました。
この工程でしたら、1メートルほどの高さで残しておかなくても済むようになります。
今後、伐採するときには、高さ1メートルではなく、なるべく根元にちかい高さで伐採し、更新まで花を植えてマス内への侵入を防ぐなど、何らかの処理で安全と景観を保つことはできますでしょうか。
今後の街路樹の伐採の高さと、新植までのマス内の管理について、お答えください。
(2)これからの更新について
「街路樹」は法律上「道路の付属物」と位置づけられ、都市の景観を美化する目的で育成されているほか、自然環境の保全や、歩行する方に日陰を提供するなど、様々な目的のもと都市環境の向上に役立っています。
一方で、市区町村によっては、手入れ不足による環境の悪化や、過剰な植え込みへの税金の出費などを指摘されることもあり、街路樹は、常に適正に管理・運用されることが求められています。
松戸市の策定したみどりの基本計画に「サクラやケヤキなどの街路樹は、老木化や生長による通行障害を生じさせているほか、伐採により良好な景観の維持が困難となっているケースもあります。」と書かれているように、大きくなりすぎた街路樹は、根本が盛り上がり、歩行の障害になったり道路にかかる反射シートのまかれた太い枝は、車が衝突したりする危険があります。
公園に植えられている樹木と違い、街路樹は植物として常に成長し続ける一面を持ちながら、「道路の付属物」として車が往来する過酷な場所におかれるため、松戸市内の街路樹も適切な更新が不可欠であります。
そこで伺います。
50年後も都市景観の美化、自然環境の保全、日陰の提供など、街路樹の目的を達成するため
現段階から、更新する木の直径や高さを決めたり、自然樹形を保つサクラやケヤキには、木が若い段階での管理方法をきめたりするなど更新について市としてできることがあればお示しください。
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質問事項1 街路樹 について、質問要旨(1)(2)について、順次ご答弁申し上げます。
はじめに質問要旨(1)伐採する高さと新植までの管理についてでございます。
本市のサクラの 街路樹 は、多くが植栽されてから50年以上経過していることで老木化が進み、樹木医の診断により危険と判断されるケースが多くなり、伐採を優先せざるを得ない状況であったことから、切り株が目立つ状況となっておりました。
切り株が放置されている状況については、議員ご指摘のとおり、景観の悪化や火災を引き起こすなどの問題がございましたが、令和4年に策定された、本市総合計画において「桜並木の再生」を目標に掲げ、令和5年度から急ピッチで切り株の除去を進めているところであり、令和5年度当初に約420本あった切り株は、約140本まで減っております。
今後も引き続き植替えも含め、早急な対応をしてまいりますが、サクラの老木化は進行中であり、切り株は今後も発生することから、議員ご提案の、根元から伐採し、つまずき防止のために花を植えるといった方法を参考にして、切り株への対応を検討してまいります。
次に質問要旨(2)これからの更新についてでございます。
現在、本市では「 街路樹 の植栽・管理に関するガイドライン」の策定作業を進めております。本ガイドラインはサクラをはじめとした課題の多い樹種の変更など、今後の 街路樹
の整備や管理において、 街路樹 が持つ景観の向上、緑陰形成などの多様な機能の発揮と安全性の確保、また将来的なコストの低減化も踏まえた基本方針を定めるものでございます。
議員ご指摘の、大きくなり過ぎた 街路樹 の更新や、木が若い段階での管理方法につきましても、本ガイドラインの中で、方向性をお示ししたいと考えております。
今後も、新しい技術や考え方を取り入れ、将来にわたり、市民から愛される 街路樹 となることを目指してまいります。
以上、ご答弁とさせていただきます。
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ご答弁、ありがとうございました。
松戸市内では、一番初期に植樹されたケヤキは、80年を越え、サクラも古いカブだと60年を越えると、伺いました。
常盤平のケヤキ並木が、新・日本、街路樹100景に選ばれてから30年、松戸市内のケヤキやサクラは立派に成長し、松戸市の歴史そのものを映し出す存在となっています。
船橋市から視察団が訪れるのも納得できるほど、松戸市の、街路樹のスケール、見栄えは素晴らしいと思いますし、日々管理にあたっているみどりと花の課や、造園業者の皆様には感謝申し上げます。
(1)伐採する高さと新植までの管理について
根元からの伐採をご検討いただけるとのこと、嬉しく思います。
低い位置で伐採できれば、洞が出来なくなり、火災を防げるようになるだけでなく、景観としても、地域の方の心情にも寄り添っていただけるものだとおもいます。
つまずき防止の対応を検討していただき景観の両方を備えた管理、根元からの伐採をお願いいたします。
次に、(2)これからの更新について
、街路樹は、成長し続ける樹木、生き物であります。
今日新植された若い木も、50年後100年後のどこかのタイミングで、若木への更新が訪れます。
市全体で、街路樹のここち良さを、享受しながら街のシンボル的な存在として末永く愛してもらうため、ご答弁いただいた「、街路樹の植栽・管理に関するガイドライン」、これから50年間の、街路樹のあり方を決めるとても重要なものだと思っております。
街路樹は、車道側の空間を高くしたり、並木として樹木を同じ大きさにしたりする、など公園の樹木と異なり、特別な管理が必要になります。
少し細かくなりますが、数年後に剪定すべき枝の選出なども含め、大きくなり過ぎた、街路樹の更新や、木が若い段階での管理方法につきましても、ぜひ方向性をお示しいただきたいと思います。
将来の樹形を共有しながら、若いときから計画的な選定を行えば、後々の無理な選定が減り、弱った樹木を更新する回数を減らせます。
なるべく大きさを抑えながらも健康で長く生きてもらうための根や枝の管理なども、ガイドラインで共有していただければと思います。
大きくなってから樹形の変更が難しいサクラなどを含め、この機会に、50年後80年後を見据えた、ガイドラインの策定を、どうぞよろしくお願いいたします