松戸生まれ 松戸育ち 松戸市議会議員

令和6年6月定例会

質問事項2農地の振興・保全・土壌管理について
(1)「松戸市都市農業振興計画」の見直しについて
(2)地域計画について
(3)松戸市独自の残土条例の制定について

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質問事項2農地の振興・保全・土壌管理について

2015年、「都市農業振興 基本法」が制定され、これまで「いずれ宅地化すべきもの」と位置づけられてきました都市農地は、都市に「あるべきもの」へと大きく転換されました。
今日では、都市農業の継続による農産物の供給を含め、多様な機能の発揮が求められています。

そこで、質問の要旨(1)「松戸市都市農業振興計画」の見直しについて
松戸市では、2019年に「松戸市都市農業振興計画」が策定されました。
都市農業の振興に関する施策を、総合的かつ計画的に推進することが求められている計画ですが、今年、令和6年度は、計画見直しの時期に来ております。

農業を営む方たちの追い風になるような政策、援助などが重要と思われます。
見直しにあたり、農家の方の声を取り入れる方法と、具体的な施策について教えてください。

質問の要旨(2)地域計画について
令和5年度から始まった「地域計画」において、農林水産省は、地域農業の将来のあり方を検討し、策定・公表することを地方自治体へ義務付けました。
松戸市は、江戸川を渡ればすぐに東京という立地ながら、今も広大な農地が広がっています。
この地域計画は、市の農業の在り方を決める、とても大切な事業になります。
今一度、地域計画の概要と、現在の松戸市の地域計画の状況を教えてください。

(3)松戸市独自の残土条例の制定について
残土条例は、正式には「千葉県土砂等の埋立て等による土壌の汚染及び災害の発生の防止に関する条例」として平成10年1月1日に施行された条例です。

有害物質を含んだ土砂等の埋立て等から発生する土壌汚染を防止するとともに土砂等の不適正な埋立て・盛土・たい積から発生する災害を防止するため、土砂等の埋立て等に供する面積が3000平方メートル以上の埋立て、特定事業などを行う場合に、特定事業の許可が必要となる内容で、昨年9月議会では、原議員から、この3000平方メートルの範囲を「より狭くした市独自の条例を制定したらどうか」という質問がありました。
当時の環境部長からは、「条例制定等について真摯に検討してまいります」とご答弁いただいています。

近隣市の状況を調べてみると、
鎌ケ谷市と流山市は平成10年から500平方メートル以上の埋立等に市の許可が必要と制定しました。
また、市川市は平成16年柏市は平成20年にそれぞれ300平方メートル以上の埋立等に市の許可が必要と制定しました。

柏市は現条例の前身である条例が、平成10年に制定されましたが、既に300平方メートルと面積が決められていましたし、流山市も、昭和60年の時点で500平方メートル以上と面積が指定されていたそうです。

近隣市が、独自の条例で規制をかけるなか、松戸市だけが20年間、残土条例が作られていないスポットとなっています。

このまま1年・2年と時間が過ぎていくと、その間に他市での安全基準、土砂搬出届、立ち入り検査、地質検査などをわずらわしいと感じた方が、埋立て・盛土・たい積の場所として、松戸市を自然と選んでしまう可能性があります。

そこで、2点伺います。
1点目、現在県にある条例だけでなく、市独自で条例を制定する意義・理由を、
松戸市はどのように考えられているのか教えてください。
2点目、1カ月でも、1日でも早い条例の制定が必要だと考えます。
松戸市として、いつごろの条例の制定を目途もくととされているのか、教えてください。

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質問事項2「農業振興と農地保全、土壌管理について」の、(1)(2)についてご答弁申し上げます。

はじめに、質問要旨(1)につきましては、本市の農業振興の基本である『松戸市都市農業振興計画』は、平成31年3月に策定し、「次代につなぐ、人、まち、農業」を基本理念とし、4つの基本方針としまして、「農業者の確保と育成」、「都市農地の保全」、「都市農業としての販売力の強化」、「都市農業の多様な機能の推進」を掲げております。
そして、この4つの基本方針に沿って、農産物のブランド化による高収益化や、農地の流動化・集積の促進をはじめとした農地の利用促進など、具体的な取り組みと、5年後の目標値を定めております。

目標値の一つである認定農業者の数は目標を達成しているものの、利用権設定面積など目標に達していない指標もございます。
今年度は計画の中間年であり、近年の農業を取り巻く厳しい環境を踏まえ、計画の見直しを進めてまいります。
計画の見直しにあたっては、農業に意欲的に取り組まれている担い手への支援策の充実や、地域農業の将来のあり方を念頭に置いた、農地の利用促進が重要であると認識しております。
また、農業者の声を計画に反映させるため、アンケートを実施してまいります。
特に、174人の認定農業者や各農業団体の代表者等には、より具体的なアンケートや聞き取り調査を行ってまいります。
いただいたご意見やご要望につきましては、JAとうかつ中央や関係部署との連携を図りながら、今後の施策として計画に取り入れてまいりたいと考えております。

次に質問要旨(2)の地域計画についてですが、地域計画とは令和5年4月に国が改正した農業経営基盤強化促進法に基づき、10年後の土地利用を定める目標地図を作成し、農地の集約化を目指すための計画です。
今年度は、計画策定の準備作業として、市内の市街化調整区域内の農地を所有している方で、年間従事日数60日以上、面積10アール以上を所有している農業者、約700人、6000筆を対象に事前のアンケート調査を実施しております。
主なアンケートの内容といたしましては、10年後に農業を続けていくか、また、続けない場合の農地活用をどう考えているか等を調査し、一筆ごとに色分けの作業を行なっております。

今後、地域計画の策定を進めていくうえでは、地域ごとの話し合いの場を設ける必要がございますので、今回のアンケート結果を踏まえ、どこの地区から協議の場を設定していくかの優先順位を検討してまいります。
今後の計画策定に向け、まずは調査や話し合いを丁寧に進め、現状の農業者の意向を把握することに努めてまいります。
以上のとおりとなりますので、よろしくお願いいたします。

質問事項2 農業振興と農業保全、土壌管理について、質問要旨(3)について、ご答弁申し上げます。 
ご質問の1点目としまして、市独自の残土条例を検討する理由につきまして、千葉県土砂等の埋立て等による土壌の汚染及び災害の発生の防止に関する条例は、有害物質を含んだ土砂等の埋め立てなどから発生する土壌汚染を防止するとともに、不適切な埋め立てや盛り土、たい積から発生する災害を防止することを目的としております。

県条例では対象面積を3,000平方メートル以上としており、3,000平方メートル未満における小規模な土地の土壌管理の観点からも、土壌汚染等を防止する規制を行う条例制定等検討するものでございます。
また、2点目としまして、いつごろの条例の制定を目途としているかにつきましては、近隣市の条例の運用状況を参考に、本市での効果を検証し、早期の制定を目指していきたいと考えております。

以上。答弁といたします。

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ご答弁ありがとうございました。

先の3月議会で、私は、本郷谷市長に松戸市のまちづくりに対する思いを伺いました。

ご答弁で、本郷谷市長からは

市民が将来にわたり、安心感を持って松戸に住み続けたいと思ってもらえるようなまちづくりを進めていく必要があること、そのためには市全体を俯瞰し、長期的に最適な方向に向かっていく視点に立って、バランス感覚を持って取り組むことを重視していること
様々な変化に対応していくため、国の責務において構築された各種制度の骨格を基本としつつも、基礎自治体として日々市民と向き合い、対話を重ねる中で、地域課題やニーズに応えるための必要な施策を柔軟に展開し、これを補完していくことが重要となる、とお答えいただきました。

過去にもお伝えしたとおり、私は本郷谷市長の想いをはじめ、
子育て、教育、福祉、まちづくり、にぎわい創造、防災などの各分野において、
執行部の方の街づくりに対する真摯な働きと姿勢を、一市民として嬉しく、また誇りに感じております。

今回の、都市農業に関わる内容は、まさに「市民が将来にわたり、安心感を持って松戸に住み続けたいと思ってもらえるようなまちづくり」を行う上で、子育て施策や、福祉施策と並ぶ、大変重要な要素だと思い、質問させていただきました。

子育て、教育、福祉、まちづくり、防災などは、それぞれがお互いに繋がり、関係しあっているのと同様に、農業も、各分野に精通する万能の産業であり、私は、他でもない、この松戸市で行う都市農業に、とても大きな期待と可能性を感じております。

その理由として、
国内外でオーガニックを軸とした安全で安心な食べ物を求めるムーブメントが起こっていること
松戸市はすぐ目の前に、50万人のマーケットが広がっていること、
若い世代の農家さんが、農業にかける思いがとても強いことが挙げられます。

デジタル技術やAIは、作物の管理はできても、土のように作物自体を育むことはできません。デジタルトランスフォーメーションが進む現代で、農地からしか生み出せない価値を改めて見直す時期がじわじわと来ています。

本郷谷市長と執行部のみなさまの力で、これまで以上に都市農業に光が当たり、そこから安全安心な食への関心が高まれば、出生率の向上、子どもの健全な発育、全世代にかかる心身の健康、さらにはシビックプライドまで、状況を一変させる価値が農業には秘められています。
市内での地場野菜やコメの流通量を増やし、都市農業の機運を高めることは、
本郷谷市長の目指す「市民が将来にわたり、安心感を持って松戸に住み続けたいと思ってもらえるような街」に必ず寄与すると思います。

ご答弁いただいた、残土条例の早期の制定、そして、都市農業振興計画では農家の方が、松戸市の農業がこれまでより進み始めたと感じられるような施策の見直しを、心から要望いたします。
そして、順次行っていく地域計画の事前アンケートで、10年後も農業を続けたい、農地を農地として保持し、活用してほしいと答えていただけるよう

農地を他の用途に転用したいとこれっぽっちも思わない、松戸で農業をしていることが、どんな仕事にも代えがたい役割だと思えるような魅力を、機運を高め、わたくしもこの議場において農業に言及した責任を持ち、市民の方、執行部の皆さんと情報を共有し、協力し合いながら、動き続ける所存です。

石和田副市長をはじめ、執行部の皆様、ご答弁ありがとうございました。