松戸生まれ 松戸育ち 松戸市議会議員

令和6年9月定例会

質問事項2財務部税制課市税分析 担当室について
(1)どのような税の分析や可視化を行っていますか。
(2)設置後の変化について教えてください。
(3)松戸市総合計画で果たすべき役割とその重要性について教えてください。

*------* *------* *------*

質問事項2財務部税制課市税分析 担当室について

市税の調査研究及び分析に関する業務を専門とする市税分析担当室が、税制課に設置されてから3年目を迎えています。

特定財源である 国や県の補助金・交付金は 政策の枠組みや使途が決まっていますが、一般財源は 市独自で地域のニーズに応じた政策や公共サービスに自由に使うことができる重要な財源です。

なかでも、一般税源のうち 一番の大きな割合を締めている市税は、今後も十分に確保されることで、地域住民の生活の質向上や地域経済の活性化に寄与してできるものと考えております。

一方で、市税は地域の経済状況や 人口動態の変化に直接影響を受けるため、その動向を常に注視し、適切な対応が求められます。

ヒアリングの中で、市税分析担当室を設置した経緯について、令和4年4月1日に財務部の税制課に設置されたこと、そしてその目的として、市税の分析結果を政策施策へ反映させる体制の強化を図るためであるとお聞きしました。

市税は、将来の財政運営においても極めて重要な意義を持ち、その市税を調査・研究・分析する市税分析担当室は、今後ますます重要な役割を果たしていくと認識しております。
そこで、以下の点についてお伺いしたいと考えております。

質問の要旨(1)市税分析担当室の役割として、どのような税の分析や可視化を行っていますか。
市税分析担当室は、市税の調査研究および分析に特化して設置されており、主要な役割の一つがこの税の可視化にあると考えます。

令和4年に市税分析担当室を設置後の経過や、どのような分析を行っているのか、また、今後の方針について教えてください。

(2)設置後の変化について
市税分析担当室が設置される前の令和4年4月1日以前と比較して、設置後、どのような変化が生じたのか教えてください。

(3) 松戸市総合計画で 市税分析担当室の果たすべき 役割とその重要性について教えてください。

*------* *------* *------*

答弁:財政部長
質問事項2、質問の要旨(1)から(3)について順次ご答弁申し上げます。

はじめに?、「どのような税の分析や可視化を行っているか」については、市税分析担当室では、市の保有する税情報を一元的に活用し、政策協議に「税分析」を提案し、協議に資する分析結果の提供や、各部署の依頼に基づいて特定の政策に関して税分析を行っております。

令和4年度の設置当初からしばらくは、税分析に関する庁内への周知と他市との税収構造比較などに取り組みながら分析手法の確立を模索しておりましたが、昨年ごろから分析のスタイルも出来上がり、庁内でも様々な場面での呼びかけにより税分析活用の機運が高まったことから、昨年度、今年度と手がけるテーマの数も増えてきております。

分析内容につきましては、その一つといたしまして、政策の対象となる地域や事業規模等をもとに税収予測を行うため、標準的なモデルや分析条件を設定し、その政策の実施により見込まれる税収規模、投資の回収期間などを図やグラフなどに可視化し、提示しております。
今後の方針といたしましては、政策の実施後に再度分析を行い、分析手法の振り返りや成果を評価し、分析精度の向上を図って参りたいと考えております。

次に(2)、「設置後の変化」については、分析結果を導く過程におきまして、担当室と関係部署の職員、税情報の抽出に協力する税務担当職員との間で情報交換、協議を重ねる中で、新たな連携や発想が生まれ、それがより詳細な税分析と新たな政策への広がりにもつながっております。

最後に(3)、「総合計画で市税分析担当室が果たすべき役割」については、これまでの政策協議等におけるノウハウを活用し、令和7年度の予算編成方針に新たに税収増につながるような投資効果の高い事業に対しては優先的・重点的に予算を配分する方針も盛り込んだところでございます。
政策の立案が、今後は、政策協議、予算編成、これまでの様々な税分析に関するノウハウを活かし、その役割と機能を更に充実させ、総合計画の着実な推進に寄与できるよう努めて参ります。

以上、答弁といたします。

*------* *------* *------*

要望事項(質問事項3と合わせて発言)

質問事項2 市税分析担当室について と
質問事項3 人口50万人規模の維持について は、一緒にお話させていただきます。

財務部長、小玉副市長、
ご答弁ありがとうございました。

市税分析担当室では、市の保有する税情報を一元的に活用し、政策協議に資する分析結果の提供や、各部署の依頼に基づいて特定の政策に関して税分析を行っていること
昨年度、今年度と手がけるテーマの数も増えてきていること

政策の対象となる地域や事業規模等をもとに、政策の実施により見込まれる税収規模、投資の回収期間などを図やグラフなどに可視化し、提示していることがわかりました。

財務部長のご答弁の中で「令和7年度の 予算編成方針に 新たに 税収増 につながるような投資効果の高い事業に対しては
優先的・重点的に予算を配分する方針も盛り込んだ」と、「税増収」という文言を入れての予算編成方針に、「何もしなくても税収は入ってくるもの」という既存の考えとは違う、歳入を見据えた攻めの部分をみれたところにも気概を感じました。

また、小玉副市長のご答弁でも「安定した財源確保に向けて、歳入の根幹をなす市税収入の安定的な確保を図ることが重要」と、市税について言及していただけたことも、心強く感じます。

生産年齢人口を含む様々な方々から選ばれるまち であり続けるための、次世代につながる都市環境づくり。
駅周辺をはじめ、新松戸駅や北小金駅など、駅を中心としたまちの再生・リニューアルとして
物理的なインフラや施設など、目に見える形で街を整備するところから

多世代まるごと居場所づくりとして「つながるステーション」の順次拡大
市内中小企業の「稼ぐ力」の向上など、制度やプログラム、サービス、政策などの形で街や社会を支えるソフト施策まで、財源確保に向けた 本郷谷市長と執行部の方が描いている青写真・未来図を具体的に知ることができました。

執行部の皆様が税分析を活用することは、結果的に私たち市民にとって大変有益になると感じます。

さらに、小玉副市長の「多世代がともにいきいきと暮らすことができ、持続可能な選ばれるまちを実現することで、将来的な安定財源の確保につなげてまいりたい」という答弁からも必要な公共サービスの削減と市税における増税の組み合わせのような一時的に税収を増やせても、将来的には経済の鈍化や社会の混乱を引き起こしかねない強引な政策ではなく、難しいとは思いますが、細やかな政策判断と調整を常に行い、丁寧な舵取りが必要な道を選んでいくのだとわかりました。

私が3月定例会で、松戸市のまちづくりに対する本郷谷市長の思いを伺ったとき、本郷谷市長は、
「市全体を俯瞰し、長期的に最適な方向に向かっていく視点に立って、バランス感覚を持って取り組むことを重視していること、異なる分野が様々な側面で連動し、成り立っていることを踏まえながら、政策立案においては、時代に沿った新しい考え方や技術を柔軟に取り入れていく と、ご答弁していただきました。

労働力の増加や 生産性の向上による税収を増やす場合には働ける年齢がどのくらい長くなることが理想なのかなど、
建て替えなどで直接的な税収が即座に反映されるケース以外の、

税を生み出す「ソフト施策」とインフラ整備や都市開発など「ハード施策」を組み合わせたり、
公共施設やインフラを、成熟しある程度完成された街に 新しく適応させ、着実に将来的に生み出す税収を見据えていくことがすでに成熟した松戸市には、大切だと感じます。

とくに市で自由に使うことのできる市税の重要性が、改めて見直されている昨今、令和4年度に市税分析担当室を設置されたということは、それより前から市税の重要性に着目されていたのだと推測します。

予算配分に目が行きがちですが、政策を実現するためには資金が必要であり、かつて、松戸市では財務と税務の部署が分かれていたように、街の長期的な持続性を考えたとき、歳入はもっと注目されるべき要素だと 私は考えています。

市税担当室が設置されたことで、職員の皆さんが税収を意識するようになったことは非常に良い傾向だと思いますし、今後は、税の観点から街の特性を踏まえつつ、政策協議の場にさらに深く関与していくことを検討していただきたいです。

先日の9月2日、令和7年度の予算編成で、各部・課のマネジメント能力の強化及び有効性を重視した事業の選択を可能にするため、経常費において「枠配分方式」を導入すると発表されました。

現在の一件査定方式は、財政課が予算配分の決定に大きな権限を持ち、自治体の規模が大きくなるほど、全体を俯瞰しながら個別事業を厳密に審査することが難しくなる傾向があります。

令和7年度は、経常費を枠配分方式で割り当てていただくということなので、各課が一定の自由度で創意工夫でき、歳出だけでなく歳入や税収にも目を向ける機会が増えると思います。

また、財政課においては来年度、各担当課に対して伴走型の支援や相談体制の整備、さらに令和8年度以降には政策費の枠配分の検討などが加わるため、業務は一層多忙になることも予想されます。

全国で28番目、千葉県で人口規模が3番目に大きい自治体として、大きく舵を切りだし走り始めたところではありますが

専門性の高い税の財源確保と、予算の適正化に向けたマネンジメントを一括管理することは、やや窮屈にも感じます。

市税の分析結果を提供するだけでなく、政策協議の場においても、市税を積極的に増やすための提言を行う部署として、他部署と頻繁に協議し、安定した財源を確保し続けるため、市税に対する考え方や税務の専門性を一元的に扱い、税に関するあらゆるノウハウを活用した政策立案が可能な部署として、税務を行政組織の中に位置づけていただきたいと思います。

最後に、2年前の11月に議員となり この定例会が終わると折り返しになります。

当初は右も左もわからなかったところから、会派を超えた議員のみなさまには様々なご指導をいただき、執行部のみなさまとも良好な関係を築いていけるようになり、自分の住む松戸市が、たくさんの真心と思いで運営されていたことに、日を重ねるごとに気づかされ、感謝の気持ちでいっぱいになります。

議員のみなさま、そして、本郷谷市長をはじめ、執行部のみなさま これからも、よろしくお願いいたします。
そして、重ね重ねになりますがどうか、秋から始まるワクチンについては、慎重に検討していただくようお願い申し上げます。

以上で、私の一般質問を終わります。
ご清聴、ありがとうございました。