令和6年9月定例会
質問事項3人口50万人規模の維持について
安定した財源を確保し続けるための政策について伺います。
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質問事項3 人口50万人規模の維持について
質問の要旨 安定した財源を確保し続けるための政策について伺います。
松戸市の総合計画では、令和11年度まで松戸市の人口50万人規模を維持していく とあります。
3月議会の一般質問において、本郷谷市長より
「今後も、市民お一人おひとりが 身近な地域と様々な形で支え合い、連携していく環境を構築しつつ、子どもや女性、障害者や高齢者など、誰ひとり取り残されない、多様な人材が安心して活躍できる社会、「地域共生社会」の実現に向けて取り組んでまいります。
と、ご答弁いただきました。
少子高齢化が進む中、これから先に50万人都市を維持し、消防、病院、ゴミ、インフラなどの公共事業をふくめた「地域共生社会」の実現のためには、安定して財源を確保することが重要になってくると思います。
そこで伺います。
総合計画 6つの基本目標のなかで、松戸市として、将来的に安定した財源が確保しつづけられるよう
どのようなビジョンを持ち、どのような考えを重視しながら、取り組みを進めていきますか。
参考:松戸市総合計画
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答弁:小玉副市長
質問事項3 人口50万人規模の維持について
質問要旨 安定した財源を確保し続けるための政策について ご答弁申し上げます。
議員ご案内のとおり、令和4年4月に策定いたしました「松戸市総合計画」では、令和11年度までの将来人口を50万人規模で維持することを目指し、各種政策を推進しております。
こうしたなか、本年6月、本市の人口が、千葉県で3番目、全国でも28番目となる50万人に達したことは、大変価値のあることと捉えております。
この50万人規模の人口を維持するために不可欠な、将来的な安定財源の確保に向けては、本市の歳入の根幹をなす市税収入の安定的な確保を図ることが重要であり、そのためには、首都圏の多様な都市の中、生産年齢人口を含む様々な方々から選ばれるまちであり続ける必要があると考えております。
このため、次世代につながる都市環境づくりとして、都市再生緊急整備地域に指定された松戸駅周辺をはじめ、新松戸駅や北小金駅など、駅を中心に、地域住民の皆様との話し合いを重ねながら、まちの再生・リニューアルを丁寧に進めてまいります。こうした、まちの発展に資する事業に対しては、将来的な財政負担を考慮しつつ、適切な投資を行ってまいります。
また、選ばれるまちであり続けるためにはこうしたハード整備に限らず、ソフト施策も大切です。
共働き世帯が増えるなか、本市では早くから社会全体で子育てするための仕組みづくりに着手し、「市内全23駅の駅ナカ・駅近への小規模保育施設整備」、「幼稚園での預かり保育の拡充」など、保育環境の充実に力を入れるとともに、「地域共生社会」の仕組みづくりとしては、これまでに市内15地区への地域包括支援センターを設置してきましたが、今後は「まつどDEつながるステーション」を順次拡大していきたいと考えています。
さらに、安定財源の確保に向けては、市内における企業活動を支援し、地域経済を活性化していく必要があると考えております。
そのため、設備投資・デジタル化による生産性向上・販路拡大への支援や、人材確保に繋がる採用活動の後押しなどを行うとともに、松戸ビジネスサポートセンター「ビジまど」において、実情に合わせた伴走支援やセミナー等を行うことで、市内中小企業の「稼ぐ力」の向上をバックアップしてまいります。
なお、こうした各種施策の検討過程においては、市が保有する税情報を活用した税分析を積極的に取り入れながら、費用対効果を踏まえた効率的かつ効果的な政策立案を行ってまいります。
いずれにしましても、これらの施策をバランスよく進め、多世代がともにいきいきと暮らすことができ、持続可能な選ばれるまちを実現することで、将来的な安定財源の確保につなげてまいりたいと存じます。
以上、ご答弁とさせていただきます。
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要望事項(質問事項3と合わせて発言)
質問事項2 市税分析担当室について と
質問事項3 人口50万人規模の維持について は、一緒にお話させていただきます。
財務部長、小玉副市長、
ご答弁ありがとうございました。
市税分析担当室では、市の保有する税情報を一元的に活用し、政策協議に資する分析結果の提供や、各部署の依頼に基づいて特定の政策に関して税分析を行っていること
昨年度、今年度と手がけるテーマの数も増えてきていること
政策の対象となる地域や事業規模等をもとに、政策の実施により見込まれる税収規模、投資の回収期間などを図やグラフなどに可視化し、提示していることがわかりました。
財務部長のご答弁の中で「令和7年度の 予算編成方針に 新たに 税収増 につながるような投資効果の高い事業に対しては
優先的・重点的に予算を配分する方針も盛り込んだ」と、「税増収」という文言を入れての予算編成方針に、「何もしなくても税収は入ってくるもの」という既存の考えとは違う、歳入を見据えた攻めの部分をみれたところにも気概を感じました。
また、小玉副市長のご答弁でも「安定した財源確保に向けて、歳入の根幹をなす市税収入の安定的な確保を図ることが重要」と、市税について言及していただけたことも、心強く感じます。
生産年齢人口を含む様々な方々から選ばれるまち であり続けるための、次世代につながる都市環境づくり。
駅周辺をはじめ、新松戸駅や北小金駅など、駅を中心としたまちの再生・リニューアルとして
物理的なインフラや施設など、目に見える形で街を整備するところから
多世代まるごと居場所づくりとして「つながるステーション」の順次拡大
市内中小企業の「稼ぐ力」の向上など、制度やプログラム、サービス、政策などの形で街や社会を支えるソフト施策まで、財源確保に向けた 本郷谷市長と執行部の方が描いている青写真・未来図を具体的に知ることができました。
執行部の皆様が税分析を活用することは、結果的に私たち市民にとって大変有益になると感じます。
さらに、小玉副市長の「多世代がともにいきいきと暮らすことができ、持続可能な選ばれるまちを実現することで、将来的な安定財源の確保につなげてまいりたい」という答弁からも必要な公共サービスの削減と市税における増税の組み合わせのような一時的に税収を増やせても、将来的には経済の鈍化や社会の混乱を引き起こしかねない強引な政策ではなく、難しいとは思いますが、細やかな政策判断と調整を常に行い、丁寧な舵取りが必要な道を選んでいくのだとわかりました。
私が3月定例会で、松戸市のまちづくりに対する本郷谷市長の思いを伺ったとき、本郷谷市長は、
「市全体を俯瞰し、長期的に最適な方向に向かっていく視点に立って、バランス感覚を持って取り組むことを重視していること、異なる分野が様々な側面で連動し、成り立っていることを踏まえながら、政策立案においては、時代に沿った新しい考え方や技術を柔軟に取り入れていく と、ご答弁していただきました。
労働力の増加や 生産性の向上による税収を増やす場合には働ける年齢がどのくらい長くなることが理想なのかなど、
建て替えなどで直接的な税収が即座に反映されるケース以外の、
税を生み出す「ソフト施策」とインフラ整備や都市開発など「ハード施策」を組み合わせたり、
公共施設やインフラを、成熟しある程度完成された街に 新しく適応させ、着実に将来的に生み出す税収を見据えていくことがすでに成熟した松戸市には、大切だと感じます。
とくに市で自由に使うことのできる市税の重要性が、改めて見直されている昨今、令和4年度に市税分析担当室を設置されたということは、それより前から市税の重要性に着目されていたのだと推測します。
予算配分に目が行きがちですが、政策を実現するためには資金が必要であり、かつて、松戸市では財務と税務の部署が分かれていたように、街の長期的な持続性を考えたとき、歳入はもっと注目されるべき要素だと 私は考えています。
市税担当室が設置されたことで、職員の皆さんが税収を意識するようになったことは非常に良い傾向だと思いますし、今後は、税の観点から街の特性を踏まえつつ、政策協議の場にさらに深く関与していくことを検討していただきたいです。
先日の9月2日、令和7年度の予算編成で、各部・課のマネジメント能力の強化及び有効性を重視した事業の選択を可能にするため、経常費において「枠配分方式」を導入すると発表されました。
現在の一件査定方式は、財政課が予算配分の決定に大きな権限を持ち、自治体の規模が大きくなるほど、全体を俯瞰しながら個別事業を厳密に審査することが難しくなる傾向があります。
令和7年度は、経常費を枠配分方式で割り当てていただくということなので、各課が一定の自由度で創意工夫でき、歳出だけでなく歳入や税収にも目を向ける機会が増えると思います。
また、財政課においては来年度、各担当課に対して伴走型の支援や相談体制の整備、さらに令和8年度以降には政策費の枠配分の検討などが加わるため、業務は一層多忙になることも予想されます。
全国で28番目、千葉県で人口規模が3番目に大きい自治体として、大きく舵を切りだし走り始めたところではありますが
専門性の高い税の財源確保と、予算の適正化に向けたマネンジメントを一括管理することは、やや窮屈にも感じます。
市税の分析結果を提供するだけでなく、政策協議の場においても、市税を積極的に増やすための提言を行う部署として、他部署と頻繁に協議し、安定した財源を確保し続けるため、市税に対する考え方や税務の専門性を一元的に扱い、税に関するあらゆるノウハウを活用した政策立案が可能な部署として、税務を行政組織の中に位置づけていただきたいと思います。
最後に、2年前の11月に議員となり この定例会が終わると折り返しになります。
当初は右も左もわからなかったところから、会派を超えた議員のみなさまには様々なご指導をいただき、執行部のみなさまとも良好な関係を築いていけるようになり、自分の住む松戸市が、たくさんの真心と思いで運営されていたことに、日を重ねるごとに気づかされ、感謝の気持ちでいっぱいになります。
議員のみなさま、そして、本郷谷市長をはじめ、執行部のみなさま これからも、よろしくお願いいたします。
そして、重ね重ねになりますがどうか、秋から始まるワクチンについては、慎重に検討していただくようお願い申し上げます。
以上で、私の一般質問を終わります。
ご清聴、ありがとうございました。