松戸生まれ 松戸育ち 松戸市議会議員

令和6年12月定例会

質問事項2 子どもの学校給食について

(1)調味料について定められている基準等があれば教えてください。
(2)食塩について
ア 使用できる食塩に「天日」や「平釜」で作られたものはありますか。
イ 一食に使用する平均量と単価について伺います。

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質問事項2子どもの学校給食について

質問の要旨(1)調味料について 定められている基準等があれば教えてください。

松戸市の学校給食は、65校すべてが自校式です。
自校式とは、学校内に設置された給食室で、児童生徒に給食を調理して提供する方式で、大量一括調理を行うセンター方式と違い、配送がないことが特徴です。温かいものは温かく、冷たいものは冷たくいただくことができます。

今回、調理で使われる 調味料についてお聞きします。
 
一般的な 調味料として、塩、砂糖、醤油、みりん、酒、味噌、など 挙げられますが、松戸市で使用する調味料に関して、定められている基準があれば教えてください。

また、おいしく食べてもらったり、残菜が残らないようにしたりするための取り組みなどあれば 一緒に教えてください。

質問の要旨(2)食塩について
ア 使用できる食塩に「天日」や「平釜」で作られたものはありますか。

松戸市では、令和4年度から 公会計を採用しています。
これに伴い、市が契約した 食材 納入業者の中から、各学校が食材を注文する 仕組みに変わりました。

その中で、食材のひとつである、食塩について伺います。

学校の栄養士の方が注文できる食塩の中に、太陽光や 風の力を利用して 海水を蒸発させ、塩を 結晶化させる天日の製法や大型の平らな釜で海水を加熱し、水分を蒸発させて 塩を 結晶化させる平釜の製法で作られた食塩はありますでしょうか。

イ 一食に使用する平均量と単価について伺います

松戸市では、小学校中学校合わせて 約 3万2000人分の給食が提供されており、令和6年度の学校給食の 一食分の材料費は、小学校で低学年245円、中学年272円、高学年300円、中学校は361円。そこに牛乳代65.38円を加えた額と伺いました。

一食分に使用される 食塩の平均グラム数と、単価について教えてください。

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答弁:学校教育部長
質問事項2 子どもの学校給食について、質問要旨(1)及び(2)ア、イについて、関連がございますので、一括して答弁申し上げます。

はじめに、学校給食で使用する調味料については、市販され一般的に各ご家庭でも使われている、安全性が確保されたものを使用しているため、特段、基準等を定めてはおりません。
なお、給食をおいしく食べてもらうため、児童・生徒の嗜好に合わせて、ドレッシングや和え衣を、各学校の給食室で、基本的には手作りする取り組みを実施しております。

次に、「食塩」についてでございますが、議員ご案内の、「天日」や「平釜」で作られた塩は、学校給食で使用しておりません。
さらに、1食に使用する「食塩」の平均量と単価についてですが、小学校2校及び中学校1校をサンプルとして抽出し、令和5年11月から令和6年10月までの発注量をもとに、1食に使用する平均量を算出したところ、約0.5gとなりました。仮に、公益財団法人塩事業センターの製品の価格に換算しますと、1食当たりの単価は、約0.05円となります。
本市では、学校給食に係る食材料の価格高騰が続く中、多種多様な食材の中から、価格や品質、児童生徒の嗜好及び日々の残菜等を考慮して、安全安心でおいしい給食を継続して実施するため、各学校の栄養士が工夫して献立を作成しているところでございます。
今後も、安全安心で栄養バランスのとれた、おいしい学校給食の提供に努めてまいりたいと存じます。

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学校教育部長、ご答弁ありがとうございました。

質問の要旨(1)調味料について定められている基準等について
調味料については、市販され一般的に各家庭でも使われている、安全性が確保されたものであること以外特段、基準等を定めていないこと、了解しました。

市販され、一般的に各家庭でも使われている安全性が確保されたものであるのなら、調味料はどのようなものを使っても良いこと、たくさんの選択肢が栄養士さんにあることもわかりました。

おいしく食べてもらったり、残菜が残らないようにしたりするための取り組みとして、ドレッシングをはじめ、和え衣まで、手作りする取り組みをしていること。

食材の価格が高騰し、学校給食を取り巻く環境が厳しさを増している中で、価格や品質、さらに児童生徒の嗜好を考慮し、残菜・食べ残しを減らす工夫をしながら、限られた予算内で最良の選択をし続けてくださっていることに、深く感謝します。

また、以前より、パンの材料には国産小麦粉だけを使用し、保存料や添加物を一切使っていないこと
うどんやスープなどに使用するお出汁も市販品ではなく、丁寧に最後の一滴までしぼり取ったものを使っていること、さらに、野菜もできるだけ地場産のものを使用していることなどを伺っていましたし
おいしい、千産千消を意識した献立作成や調理に取り組んでいただいていると感じます。

3万2,000人規模で自校式給食としてこれほどのことが継続できていることは、松戸市の誇りでありますし、栄養士さんたちのやりがいにもつながっていると思います。これからも、この素晴らしい学校給食が続いてほしいと心から願っています。

また、大塚議員より、アレルギーに関する質問がありましたので、こちらについては、私も別の機会で取り上げたいと思います。

質問の要旨(2)食塩についてアとイまとめて要望を述べます。

こちらは、天日や平釜など自然な製法で作られた塩がつかわれているか確認したく、一般質問で取り上げました。
ご答弁から、松戸市の給食には、天日や平釜で作られた食塩は選択肢にないことを伺いました。

塩事業センターの食塩ということなので、小学校の給食で使われる食塩は、イオン膜・立釜製法で作られているものだとホームページから確認できます。

イオン膜・立釜製法は、海水から塩を取り出す際「イオン交換膜」という特殊な膜が用いられ
塩化ナトリウムだけを高純度で抽出し、立釜で結晶化させ、塩化ナトリウム純度99%以上の塩を作ることができます。

私の質問であげた「天日」や「平釜」で作られる塩は、ナトリウム以外に、海水から自然に由来するカリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルがバランス良くたくさん含まれています。

ミネラルは児童生徒の体内での浸透圧の維持や、代謝活動に重要な役割を果たす成分ですが、現在学校給食で使用されているイオン膜・立釜法で製造された塩には、ナトリウム以外のミネラルがほとんど、(というよりも)ほぼ含まれておりません。

この天日の塩を、学校給食に取り入れていただけないか、というのが今回の要望です。

もちろん、学校給食では、他の食材で決められたミネラルをとることは考えられていますが
天然の塩のバランスは人工的に再現することが難しく、マグネシウムだけの塩に他の食品やミネラルを組み合わせても、天日の塩が持つ自然な相互作用や吸収性を完全に再現することはできません。

また、天日の塩にはミネラル構成によって生じる特有の風味があり、イオン膜製法の塩では得られない自然な甘みや旨み、深いコクとまろやかさがあり、食材本来の持ち味を最大限に活かすことができるため、今までの食塩よりも少ない使用量ですみます。

舌が敏感な児童生徒であれば、すぐに気づくと思います。

学校給食で天日の塩を使っている自治体は、私が調べて見つけられたのは東京都武蔵野市だけでした。
首都圏に位置する松戸市が、食塩という代表的な調味料を天日に変えられることは、

農業が盛んな地域の学校給食にオーガニック野菜を導入するのと、同じくらいの大きな転換だと思いますし、
食べものに気を遣う保護者の方々からも大変支持されるのではないかと考えます。

単価については、子どもたちの1食あたり平均使用量が0,5グラム、価格にすると0.05円とご答弁で伺いました。

価格にばらつきがありますが、天日の塩は現在の塩の約4~15倍の価格ですので
天日塩に変えると1食の食塩単価は約0.65円となります。

大量に納入することで、現在も食材価格が抑えられていることは承知しておりますので、教育委員会において、このような天日の塩の利点を栄養士の皆さんと情報共有しながら、学校給食全体で天然塩を使用していただけるよう、栄養士会のみなさんへ働きかけていただけないでしょうか。

塩は、一見 些細なものと思われるかもしれませんが、日々使用されているものでありますし、天日の塩の使用は、松戸市自校式学校給食の価値をさらに挙げるものだと確信しています。

高い評価を得ている松戸市の学校給食が、さらに子どもたちに優しく、より価値の高いものになると考え、今回取り上げました。栄養士の皆さんのご努力と、食材に関する知恵をお借りし、教育委員会として、天日の塩という新たな選択肢を模索していただくことを心から要望します。